醸句通信

2010.10.01

酒一筋  醸句通信    第九九号

今回のコンテンツ
1.酒のウソホント
2.毎回楽しい「百人一酒」
3.おいしい話
4.「雄町米」収穫祭ご案内

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◆  醸句通信  No.99     2010.10
◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆



天の与えたすばらしい力を内包する軽部産「雄町米」
の米を守り育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと
美味しくお酒を飲んで頂くために楽しいお酒のお話を
お送り致します。

このメルマガが、ほんの少しでもあなたのお酒の楽し
さにプラスになればと思っております。
利守酒造株式会社




【酒造年度】しゅぞうねんど
酒造年度(BY:Brewery Year)は
7月1日から翌年6月30日までの一年
間。その年度中に造られた酒。
この酒造年度は昭和40酒造年度から
改められたもので、それ以前は10月1
日から翌年9月30日までを一年間とし
ていた。
間もな「酒一筋」の平成22酒造年
度の酒造りが始まります。



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1.酒のウソホント    ▽お酒をつくる微生物 2
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私たちの先祖が、お酒をつくろうとしたとき、
その原料として「ご飯」とともに、「麹・こう
じ」が必要なことを知っていました。
今日でも、微生物の知識がまったくなくても、
ご飯と麹を水に浸しておけば、なんとかお酒に
なる確率はけっこう高いのではないでしょうか。
売り物になるようないいお酒をつくるには、
「いい麹菌」と、「いい酵母菌」が必要なこ
とは、お酒のファンならだれでも知っている
ことです。
では、全国の酒蔵は、その「麹菌」と「酵母菌」
をどうやって手に入れているのでしょうか。
微生物という、顕微鏡が発明される前にはその
存在すらわからなかった時代は、どうやってこ
れらの微生物を手に入れたのでしょうか。
麹菌の存在はわからなかったでしょうが、麹菌
が働いて「麹」の形になれば、これとご飯をま
ぜて、それに水を加えれば、やがてお酒になる
ことは、古くから知られていました。
室町時代には、麹屋という専門業者があり、酒
蔵は、そこから、麹になったものを仕入れてい
ました。
この業者は、全国各地の酒蔵にも麹を売りまし
た。酒蔵は、それを乾燥保存して、暖かいご飯
に植え、麹をつくりました。
室町時代に、麹屋の組合が組織されていて、北
野天満宮がそれを仕切っていたのでした。
組合から、麹をつくる免許を持つ公卿家に献金
がなされていました。
このシステムは、いまでも続いています。
現在は、いろんな酒が出来る優れた麹菌を育て、
これを乾燥したものを「種こうじ」として、
全国の酒蔵やお味噌、お醤油屋さんなどに販売
している専門業者があるのです。




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2.小倉あん子の「百人一酒」
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後鳥羽院(ごとばいん)


百敷や古き軒端のしのぶにも
なほあまりある昔なりけり



《解釈》
古い軒端にはえているしのぶ草を
みるにつけても、偲んでも偲びきれ
ない昔の聖代である。




■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■

物知りや 古き書物もよく読んで
なお飲みきれぬ酒もありしと




《解釈》
酒のことについては何でも知って
いるという先生がいます。
古いこともよくご存じ、今のことは
いうにおよばずよく知っています。
「ところで先生、どのぐらいの銘柄
をお飲みになりましたか?」と聞い
てみましたら、「まだ飲んだ事の無
いお酒も沢山あるよ」と言いました。
大先生ですらそうなんだから、私た
ちは飲んだことのない酒があっても
恥ずかしいことはないですね。




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3.おいしい話
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チーズと日本酒の美味しい関係をお楽しみ下さい!


「クアルティローロ・ロンバルド」

「4回目の~牧草刈り入れ(タリィオ)」これはあるイ
タリアチーズの~語源です。
毎度ながらチーズの名前の付け方の素直さがおおらかで
いいなぁと感じてしまいます。
では、その由来をお話ししましょう。
牧草というのは初夏から夏の終わりまで幾度も刈り取り
ます。その終盤ともなると伸びは悪い。
しかし、最後の力を出し切って生えてくる牧草を尊び、
牛たちに寒い冬が訪れる前のご馳走として与え、そのミ
ルクで作られていたのがこのチーズでした。なのでその
まま「クアルティローロ・ロンバルド」ロンバルドは
ロンバルディア地方という意味です。
熟成の若いうちは外皮も中身も真っ白。
組織はもろく酸味がありさっぱりしています。熟成が進
んでいくと外皮はうすオレンジ色にグレー。
ほんのり香りを放ちます。中身はしまって緻密に。
酸味がやわらぎ旨味がでてきます。
透明感ある酒は前者で。
秋の夜長をしんみり楽しみたいとあればぬる燗で後者を。
チーズの熟成に合わせて日本酒のタイプも変える。
大事なことです。料理と同じですね。
両者とも脂肪分は控えめで軽やか。特に後者は酸味甘味
のバランスがよく、酒と混じりあって口中でほどけるよ
うに広がる様が心地よい。許容範囲広く酒の引き立て役
を買ってでてくれることでしょう。






D&F テイスティー アドバイザー 粂田 康子



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【チーズのお問合せ】
株式会社フェルミエ Fromagerie Fermier
【本店】
東京都港区愛宕1-5-3
愛宕ASビル1階
http://www.fermier.fm/




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4.「雄町米」収穫祭ご案内
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◆日時:10月9日(土) 9時30分集合(13時解散予定)
雨天中止

◆集合場所:利守酒造株式会社
岡山県赤磐市西軽部762-1
086-957-3117

◆参加費:無料(交通費・宿泊費等は各自ご負担下さい)
昼食は当社にておにぎりを用意致します。
(飲食物等のお持込はご遠慮下さい)

◆参加特典:2011年2月頃発売予定
自分達で収穫した「雄町米」で仕込む
「田植酒」を購入する事が出来ます。(参加者のみ!)

◆定員:50名   ※小さいお子様の入田は出来ません。

※定員に達した時点で締切とさせて頂きます

◎お申込方法:メール又は電話でお問合わせ下さい。
hitosuji@sakehitosuji.co.jp
お名前・人数・ご連絡先



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急に気温が下がりめっきり秋らしくなった感じがします。
風邪など引かれない様に充分ご注意ください。
蔵には新酒仕込用の酒米(兵庫北錦)も入荷し、すでに精米
も終わり仕込の時を待っております。
6月に田植祭で始まった「雄町」の米作りも9日の収穫祭で
終わります。
「酒造りは米作りから」
米作りが終われば、本格的な酒造りがはじまります。
今季も皆さんに美味しいと言って頂ける「酒一筋」が出来る
よう頑張ります!


■酒一筋Tシャツがオシャレになって復活!
今回のテーマは街中でもお洒落に着れる”酒T”
です。
一部のカラー・サイズにつきましては在庫が
ございますのでお問合わせください。

http://www.sakehitosuji.co.jp/ec/d/?c=56



◆醸句通信(日々の出来事を不定期に随時更新中)
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◆蔵元情報(イベント等のご案内を随時掲載中)
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