醸句通信

2005年12月

2005.12.11

酒一筋・醸句通信    第四二号

今回のコンテンツ
  1.酒のウソホント・100年貯蔵プロジェクト
  2.毎回楽しい「百人一酒」
  ◎”広島国税局 清酒鑑評会”


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◆  醸句通信  No.42   2005.12
◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆
 天の与えたすばらしい力を内包する「赤磐雄町米」の米を守り
育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと美味しくお酒を飲んで
頂くために楽しいお酒のお話をお送り致します。
 このメルマガが、ほんのすこしでもあなたのお酒の楽しさに
プラスになればと思っております。
                        利守酒造株式会社
【酒造年度】 しゅぞうねんど
 酒造年度(BY:Brewery Year)は
7月1日から翌年6月30日までの一年間。
その年度中に造られた酒。
この酒造年度は昭和40酒造年度から
改められたもので、それ以前は10月1
日から翌年9月30日までを一年間とし
ていた。
  
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1.酒のウソホント ▽ 酒の賞味期間 
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 食べ物にはおいしく食べられる期間を示す賞味期限
がついています。食品には保存の限界があり、それを
越えると人間に有害なものになる事さえあるからです。
その表示には「賞味期間(期限)」と「製造時期」と言うの
があるのに気が付いていましたか。
食品には賞味期限の表示がありますが、お酒には賞味
期限はありません。
「そんなことはない。ビール瓶のレッテルに切り込みが
入っているではないか」と言われますね。
あれは製造時期の表示なのです。
別な話をしましょう。「何百年も前の酒が見つかった」とか、
「タイタニック号からシャンパンを引き上げよう」なんて言う
ニュースを聞いた事がありませんか?
ほとんどの酒類は、保存状態がよければかなり長い間
品質を保つ事が出来ます。
「でもなぁ、あまりまずいので調べたら古い酒だったと言う
事があったよ」こんな経験もありますよね。
その通りです。酒によっては「飲み頃」もあります。
どの酒が何時頃おいしいか、どれだけたったらまずくなる
かと言うことは、経験でしか判断できないのです。
時がたてば美味しくなるもの、古くなると不味くなるものが
あります。量産している日本酒メーカーは、「お客様の手
元に届くのが平均すると瓶詰後、45日なので、その頃に
美味しさが最高になるように調合をしています」と言います。
地酒メーカーは「十年二十年たってもおいしく飲めます」と
言います。
つまり、「どの酒はどう造られているから、何時が飲み頃」
となるのです。「生まれがどうなら、育ちはこうしたらいい」
なんて言う事はプロしか知りません。
こうなるとやはり専門家のアドバイスが必要なようですね。
地酒専門店と言われるお店の店主は、きき酒会、勉強会
等に熱心に参加して、自分の持っている知識を教えてくれ
ます。お酒を購入する際には、一声かければ希望する味
の商品、飲み頃を教えてくれるはずです!
◆2005年12月8日 東京、滝野川にある酒類総合
研究所(東京事務所)において、長期熟成酒研究会
のプロジェクト100年貯蔵が開始されました。
開封は100年後、10年毎に分析を行います。
(酒一筋は備前焼の壷と720mlビンを貯蔵開始)
前日(7日)には東京農業大学においても同プロジェクト
がスタートしています。
100年後の酒一筋が楽しみです。
味わう事は出来ませんが・・・・・・。
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2.小倉あん子の「百人一酒」
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 安倍仲麿・あべのなかまろ
 天の原ふりさけ見れば春日なる
   三笠の山に出でし月かも
《解釈》
 安倍仲麿は十六才で唐に渡りました。
フルブライト留学生のようなエリートだっ
たのです。唐の玄宗に仕え、高い位に
つきました。言うなれば国連に就職して
大活躍をしたというわけです。
唐代の詩人、李白、王維などとも親交が
あったそうです。 でも日本に帰る船が
難破し、現在のベトナムまで行ってしま
います。生まれ故郷が恋しい恋しい。
それでこの歌を詠ったのです。
 ■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■
    縄のれん 振り分け見れば かすかなる
      鼻ちょうちんのいでしヤツかも
《解釈》
飲み仲間と言うのはいいものです。
益するところもありませんが、さりとて害を
もたらす事もありません。電話が掛かって
きて、いつもの縄のれんで待っているよと
誘われましたが、だいぶ遅れてその店に
着いたのでした。
店内は大混雑。あいつどこにいるのかなぁ。
奥の方にかすかに見える顔、顔、顔。
その中で鼻ちょうちんを出したり引っ込め
たりしているのがあいつかも知れない。
とてもみっともなくて、近寄っていいかどうか、
飲み友達が逡巡しているところを詠ったもの
です。あきれて帰ってしまわないところが友
情です。彼の目が覚めたところで声を掛け、
一緒に飲むのでしょう。
ああ、友情とはいいものです。
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  ◎ 広島国税局 清酒鑑評会 優等賞
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 平成17年 広島国税局 清酒鑑評会
   吟醸部門 優等賞(首席) 受賞
 12月9日に広島で行われた平成17年広島清酒鑑評会・
吟醸部門において優等賞を首席(第一位)で受賞致しました。
ありがとうございます。
「純米」「本醸」部門においては惜しくも受賞を逃しましたが、
これを教訓に精進していきます。
今後とも応援よろしくお願い申し上げます。
 
◆広島管内
  鳥取、島根、岡山、広島、山口の5県
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 今年一年間のご愛読ありがとうござました。
本年最後に首席で優等賞を受賞する事が出来、蔵人
をはじめ社員一同喜んでおります。
来年も皆様の応援よろしくお願い申し上げます。
 気温もずいぶんと下がってきましたのでお風邪を
召されない様、充分ご自愛下さい!
日本酒飲んでがんばりましょう。
寒い・・・鍋・・日本酒ですよね!
冷で、またお燗で色々な飲み方でお楽しみ下さい。

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