醸句通信

2009.05.01

酒一筋  醸句通信    第八三号

今回のコンテンツ
  1.酒のウソホント
  2.毎回楽しい「百人一酒」
  3.おいしい話


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◆  醸句通信  No.83   2009.5
◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆
 天の与えたすばらしい力を内包する「赤磐雄町米」
の米を守り育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと
美味しくお酒を飲んで頂くために楽しいお酒のお話を
お送り致します。
 このメルマガが、ほんの少しでもあなたのお酒の楽し
さにプラスになればと思っております。
                        利守酒造株式会社
【酒造年度】しゅぞうねんど
 酒造年度(BY:Brewery Year)は
7月1日から翌年6月30日までの一年
間。その年度中に造られた酒。
この酒造年度は昭和40酒造年度から
改められたもので、それ以前は10月1
日から翌年9月30日までを一年間とし
ていた。
「酒一筋」の平成20酒造年の酒造り
は無事終了致しました。
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1.酒のウソホント    ▽ もしも種麹がなかったら
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 お酒は微生物がつくるものです。
麹菌と酵母の二種の微生物がうまく働いて、ご飯
をお酒に変えてくれるのです。
その麹は?
酒蔵では、麹室に引き込んだ蒸米に、種麹と呼ば
れる麹菌を 振りかけ、蒸米を麹に育てます。
その種麹は、「種麹屋」とか「もやし屋」と呼ば
れる専門業者から購入しているのです。
 酒造りの歴史を調べてみると、室町時代にはす
でに「種麹屋」という専門業者があったといわれ
ていますが、もし、この業者がいなかったら、お
酒は造れなくなってしまうのでしょうか。
そんなことはありませんね。室町時代以前にも、
日本には酒造りがあったのですから。
では、どうやったのでしょうか。それぞれの酒蔵
は、つくった麹の一部を「種」として残しておき、
次に酒をつくるときに、種麹として使用したの
です。
 では、そもそも最初に酒をつくるときはどうし
たのでしょう。それについては書き残されたモノ
はありませんが、蒸米に「カビ」を生えさせ、麹
として用いました。実は、麹はカビの一種なので
す。カビを生やそうとするなら、梅雨どきに蒸米
を放っておけば生えてきますよね。
「もしも種麹がなかったら」という疑問には、こ
れで答えられました。
ですが、ことはそんなに簡単にすすむでしょうか。
現実は簡単にはいかないようです。
ポイントは、「いい種麹」が得られるかどうかと
いうことです。
現在、種麹屋さんが持っている種麹菌は、何万回
という実験、現場を通じ、繰り返し選抜を重ねて
きたものなのです。それが、短期間になしえるか
が大問題なのです。
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2.小倉あん子の「百人一酒」
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 皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐのだいふとしなり)
  世の中よ道こそなけれ思ひ入る
    山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
《解釈》
 ちょっと読んだのでは思い巡ら
せないが、この歌は、逃れられな
い運命を歌ったものです。
その例として、山の奥の鹿の声を
引用したものです。
日本語も千年近い時間の中で、言
葉の持つ意味も変わってきています。
 ■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■
  世の中に酒があるからおもしろい
    山の奥でも島の中でも
 
《解釈》
 素直に、生きている喜びを詠え
ばこうなります。
「酒なくてなんのこの世のさくら
かな」をもう少し現実的に表現し
たものです。
宅配便ができましたから、山の奥
に住もうと離れ小島に住もうと、
いい酒を手にいれることができま
す。ただ、世の中にはいいお酒が
あることを知らない人が大勢いる
のも事実ですがね。
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3.おいしい話
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 チーズと日本酒の美味しい関係をお楽しみ下さい!
 
 チーズはミルクから由来する白、クリーム、黄色と
いうのが一般的ですよね。
でもちょっと違った色合いのチーズがあったらそれも
楽しいと思いませんか。この新緑の季節にふさわしい
春をとじ込めた様なチーズが今回ご紹介する
「セージ・ダービー」
ノーマルな部分とグリーンの部分が大理石模様で美し
く鮮やかです。グリーンの正体はセージというハーブ
の葉緑素と色付けのためのほうれん草のエキスなのです。
セージは体内で発生する活性酵素を抑制する働きがあ
るためか、「長生きしたければ5月にセージを食べろ」
という古いことわざがヨーロッパに存在します。
見ためも美しくて効能も優れているならば言うことな
しですね。
チーズの適度なコクと爽やかな青々しさがバランスよく、
日本酒とも仲良く味わえます。
チーズの軽やかさを引き立てるのには吟醸酒で清々しく。
交じりあうには純米酒でじっくりと…という感じです。
視覚に身体に、春を訴えるこのチーズ、是非ともこの
時期にお試しいただければと思います。
 D&F テイスティー アドバイザー 粂田 康子
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【チーズのお問合せ】
株式会社フェルミエ Fromagerie Fermier
【本店】
東京都港区愛宕1-5-3
  愛宕ASビル1階
http://www.fermier.fm/
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 すでにゴールデンウィークといわれる方も
いらっしゃるかもしれませんね。
今年は何十連休というと長い休暇の方もあっ
たりで、すごいですね・・うらやましい。
お天気が良いといいですね!
 最近流行っている怖いインフルエンザ、
皆さんご海外旅行の際には十分ご注意ください!
カナダではBC州(バンクーバーがある地域)
で一番多く発生が確認されているようで、とて
も身近に感じてしまいます。
目に見えないウィルスだけに日頃から自衛の
習慣を付けておかなければと思っています。
と言っても、手洗い、うがいだけですが・・
種類はまったく違いますが菌を扱う場所で働
く者にとっては、雑菌を入れないための洗浄、
手洗いは最低限の事ではありますが。
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                        利守酒造株式会社 
             
                        編集担当・明日香

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