醸句通信
2008.06.01
酒一筋 醸句通信 第七二号
今回のコンテンツ
1.酒のウソホント
2.毎回楽しい「百人一酒」
3.おいしい話
4.ドイツ出張 報告
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◆ 醸句通信 No.72 2008.6
◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆
天の与えたすばらしい力を内包する「赤磐雄町米」
の米を守り育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと
美味しくお酒を飲んで頂くために楽しいお酒のお話を
お送り致します。
このメルマガが、ほんの少しでもあなたのお酒の楽し
さにプラスになればと思っております。
利守酒造株式会社
□■□ 酒一筋 ■□■□■□■□■□■□
◆平成20年(19酒造年度)全国新酒鑑評会
金賞 受賞
◆平成20年(19酒造年度) 岡山県清酒品評会
【吟醸酒部門】 金賞 受賞
【純米酒部門】 岡山県農林水産部長賞 受賞
◆2008年 モンドセレクション 酒類部門
最高金賞(Grand Gold) 受賞
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1.酒のウソホント ▽ 酒米はなぜ蒸すの?
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お酒は米から造られることはよく知られて
います。でも、そのお米が、みなさんが食べ
ているご飯と同じように、「うるち米」であるこ
とはあまり知られていません。
そしてそのお米を、ご飯のように炊くという調
理法ではなく、「蒸す」のだということはさらに
知られていません。
もち米でないうるち米を、酒づくりではなぜ
蒸して使うのでしょうか。
これは簡単なようで答えるのにむずかしい、
いいお酒をつくる秘密が隠されているのです。
原料であるお米は、加熱されて麹や酵母が
消化しやすいようにします。
でも、その加熱のとき、水をたっぷり加えて
ご飯やおかゆのようにはしたくありません。
ちなみにビールづくりのときは、原料の麦を
煮るのです。
お酒づくりの場合は、お米を軟らかくしてしま
うと、麹のもっている酵素が働きすぎ、デンプン
をいっぺんに糖化してしまうのです。
つまり、甘酒になってしまうのです。
その甘さの強さに、アルコール発酵を受け持
つ酵母菌が圧倒されてしまい、活動がにぶく
なります。
前に上げたビールの場合は、仕込水の量
がうんと多いので、薄い麦の甘酒になり、そこ
で酵母はアルコール発酵をしますが、アルコー
ル度数は数パーセントしかつくれないのです。
米を蒸すことによって、硬めのご飯になります。
それに麹の酵素力が少しずつ作用していきま
す。僅かずつ甘味がつくられ、それに酵母が
作用し、アルコールに変えていきます。
お酒の原料米を蒸すには、こんな秘密があっ
たのです。吟醸のように、もろみをゆっくり発
酵させるには、軽い蒸米づくりがポイントになる
のです。
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2.小倉あん子の「百人一酒」
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祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)
音にきく高師の浜のあだ波は
かけじや袖のぬれもこそすれく
《解釈》
高師の浜は大阪の堺市から高石市
にかけての浜です。
その浜に打ち寄せる波の音と、場所
と情景を結び付けました。
この歌は「人しれぬ思いありとの浜風
に 波の寄るこそいわまほしけれ」
という男性の恋歌への返歌です。
その恋歌にたいして、やんわりと断っ
て歌ったものです。
■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■
音に聞く もろみの泡の立てる音
掛けしや 杜氏の愛に応えて
《解釈》
これは人里離れた雪国の蔵、それ
も人が寝静まったころでなければ聞
けない音のはなしです。
酒を仕込んだもろみは五日目頃か
ら泡を立てます。
仕込みタンクの縁から零れるように
なります。その泡はやがてプチンプ
チンと弾け、高さを低めていきます。
もろみの中を浮上する泡は液面で
弾けます。
それらの泡は音を立てるのですが
ごく小さい音ですからふだんは聞こ
えません。
それが辺りが静かな環境だと意外
に大きい音で聞こえるのです。
きっと愛情豊かな蔵人へ、何かメッ
セージを送っているのでしょうね。
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3.おいしい話
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チーズと日本酒の美味しい関係をお楽しみ下さい!
「カレ・ド・ロンク」
杜氏さんが精魂込めて造られる日本酒は、
愛情の詰まった芸術品です。チーズも然り、
乳と塩だけの材料から数え切れない程の
種類のチーズが造り上げられます。
そしてその熟成も非常に大切な過程。
出来上がったチーズは里子に出されるか
の様に、専門の熟成士さんに引き渡され
ます。
そこから更なる美味を追求して、素晴らし
いチーズへと完成させてゆくのです。
そこで今日はその中のひとつをご紹介しま
す。M.O.F.(フランス最高職人賞)受賞
したロドルフ・ル・ムニエ氏熟成「カレ・ド・ロ
ンク」です。(カレは四角という意味、ロンク
は町の名前)北フランスにて女性一人で造
っている貴重なチーズは表皮を白ビールで
洗い3ヶ月熟成させた後、ロドルフ氏の元へ
届きます。ここからが彼の腕の見せどころ、
更に白ビールで洗って熟成させてゆくので
す。その仕上がりはと言えば、華やかで
フルーティな香りをまとい、ほの甘い白味
噌を思わせる旨味があります。
最近来日したばかりの彼は「日本酒の甘み
ととても合う!」とコメント。
日本とフランスの融合!お試しあれ!
フェルミエ渋谷店店長 粂田
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株式会社フェルミエ Fromagerie Fermier
【渋谷店】
東京都渋谷区渋谷2-24-1
東急百貨店 東横店B1フードショー内
http://www.fermier.fm/
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4.ドイツ出張 報告 Ⅰ
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5月15日 ベルリン
16日 デュッセルドルフ
17日 フランクフルト
ドイツに日本文化(日本酒)をPRするため渡独
してきました。(全国から12蔵が参加)
14日にフランクフルト経由でベルリンに入り、翌
日は会場である在ベルリン日本大使館へ。
14:00~16:30 業界テイスティング
17:00~18:00 日本酒についての講演
18:30~20:30 一般テイスティング(交流会)
と行われました。
驚いたのは、ドイツの方はマニアック?と言うか
探究心が強いのか「えっ」と言う様な質問が飛び
交っていました。
大使館の方曰く
「こちらの方はマニアックな方が多く、マニアの間
で人気になるとヒットするようです」
今、ベルリンは(ここ数年で)東京よりもすし屋さん
の数が多いそうです。
日本酒に興味を持って頂けるのはありがたい事
ですし、今後の展開にも期待できます。
翌日はベルリンからデュッセルドルフへ移動
空港到着後、日本総領事館からの迎えの車で
在デュッセルドルフ総領事公邸へ
さすがに公邸だけあって街からはちょっと離れた
場所にあります。
(さすがに、昨日のように休憩時間にちょっと一杯
と言うわけにも行きません。ベルリンも出入りの度
にセキュリティーチェックで大変でしたが)
庭園の中に特設会場(テント)が設置されていて
その中で
14:30~21:00 まで講演(2回)・テイスティング
が開催されました。(デュッセルドルフはドイツの中
でも日本人の数が一番多いそうです)
ソムリエ世界大会の優勝者 ”マルクス・デル・モネゴ”氏
の日本酒についての講演もあったりと会場内はマスコミ
関係者、飲食店関係、一般招待者の方で大盛況!
ここ数年で日本酒への関心が随分高まってきています。
今後に期待の出来る場所である事は間違いありません。
こちらで驚くのは、日本と違ってはっきりとした閉宴(終了)
が無い事です。日本であれば「蛍の光」が流れ、照明が
落ちと言う感じなりますが。
ドイツではドイツ時間と言うのがあるそうで日本で言う
「流れ解散」の様な感じですか?
(皆で夕食を食べに行ったの23時過ぎ、お店に入ると同時
にラストオーダーでした)
飲み過ぎてどうしようもないという人は居ませんが。
翌朝、8:20の特急で次の目的地フランクフルトへ移動
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全国新酒鑑評会において”金賞”を受賞する事が
出来ました。
これを励みにがんばります!今後とも応援よろしく
お願い申しあげます。
今年も東京・池袋のサンシャインで「全国新酒鑑評会
公開きき酒会」が開催されます。
6月11日 16:00 ~ 20:00 (一般)
是非、全国の金賞のお酒を味わってみて下さい!
「米作り」のスタートです
今月7日はいよいよ酒一筋”田植祭”
たくさんの参加申込を頂いております。後は、当日の
お天気がどうなるか?
”田植祭”は雨天決行ですが、どうせなら晴れてほしい
ですね。
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利守酒造株式会社
編集担当・明日香