醸句通信
2007.01.16
「酒一筋」ができるまで・その工程3
数々の工程を経て「酒一筋」は生まれます。
その工程一つ一つが「酒一筋」の品質を生成します。
「その工程3」では「製麹(せいきく)」から「酒母(しゅぼ)」「醪(もろみ)」までを
見ていきましょう。
日本酒の醸造に於いて、発酵に関わるブドウ糖を米のデンプンから作る工程を「製麹」と呼びます。
古来より「一・麹(製麹)、二・酛(酒母)、三・造り(醪)」と言われるほどに最重要な工程です。
この工程で大事なポイントは、一にも二にも温度管理であり、工程中、「引き込み」「床もみ」「切り返し」「盛り」「仲仕事」「仕舞仕事」と更に細かい工程がありますが、それぞれのタイミング毎に最適な温度とすることが重要なのです。
そして「酒母(酛とも言います)」。
文字通りお酒の母であり、良好な醪(もろみ)経過をとるために、まず醪の前段階として酒母を仕込みます。
酒母育成のポイントは、雑菌微生物を淘汰して目的の優良酵母だけを数多く育てることにあります。
そしていよいよ「醪(「仕込み」や「造り」と同意)」です。
この醪は日本酒の醸造に於いて、最も中心となる工程であり、麹や酒母の品質にこだわるのは全てこの醪を計画通りに発酵させ、目標にかなった清酒を醸出させるためのものです。
まず酒母を入れ、その上に水・麹・蒸米を初添え、仲添え、留添えの3段階に分けて仕込むことで、酵母菌数を効率良く増やしていきます。
この工程においても、重要となるポイントはやはり温度管理であり、最適な温度経過を取ることで、目的とする酒質の日本酒を得ることができます。
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