醸句通信
2007.01.13
現代の名工 但馬杜氏
但馬杜氏 田村 豊和 利守酒造の杜氏として招かれ、四半世紀を越える年月が流れました。その間には、まぼろしの米と言われた「軽部産・雄町米」を復活させるための奔走があり、備前焼の大甕で酒を醸すという挑戦がありました。 |
酒造りに関しては決して妥協を許さず、納得行くまで試みるのが杜氏としての私の信条ですので、非常に充実した仕事ができたと自負しております。
利守酒造で醸される手作りの本物の酒は、機械ではまねできない芸術品と言ってよいでしょう。しぼったときはまだ半製品。それから先の管理も、酒造りにおける大切な要素です。
そのように大事に作られた酒ですので、飲むというよりは、かみしめてほしい、というのが、「酒一筋」を醸した私の願いです。
お客様に喜んでいただける酒であってほしいと、酒造期が終わった後も日夜願っています。杜氏歴は30年近くになりますが、酒造りは毎年一年生であると痛感しつつ、筆を置きます。