醸句通信

2001.04.01

「秘蔵古酒」 ~2001年 4月実施モニターから

秘蔵古酒
2001年4月に実施のモニターで、お客様の声が届いております。



●安徳 剛志さん(兵庫県)

お酒の印象

最初に飲んだ感想は、日本酒というより、白ワインに近い酒というものでした。白ワインでも腰の強い、やや辛口のワインという感じです。酸味が少なく、さっぱりとして癖が少ないワインという感じです。飲み方はひや酒(室温)で飲みました。





一緒に食した食べ物

今日は1.チンジャオロースー(中華料理)と2.マグロの山かけを食べました。

1.チンジャオロースーとの相性

あまり合わないです。中華料理は味が濃く、派手な味付けが多く、この酒のように腰の強い酒と中華料理は合わないと思います。

2.マグロの山かけ

合うとも合わないとも言えないですね。マグロの山かけは中華料理とは対照的に、癖が少なく、味付けが淡白ですが、この酒の場合、合わないことも無いが、ベストマッチングでは無いと思います。





合うと思う料理

オードブルなどに合いそうな気がします。例えば、スモークサーモンのように淡白ではないが、さほどしつこい味ではない食べ物。イタリア料理の「えびの香草パン粉焼き」、フランス料理などに出てくる「野菜のゼリー詰め(コンソメ味)」のように比較的味がしっかりしているが、あっさりした料理に合うと思います。





その他、感じたこと

この酒は、非常に変わった味の酒だと思います。

味はよいですが、日本酒というジャンルの判断基準で判断しづらい酒です。飲み方としては、日々の晩酌というよりは、食前酒として少し飲むか、立食パーティーなどで飲むといいかもしれません。日本食よりも洋食との組み合わせを考えた方がよいと思います。

ちなみに私はピザを食べながら日本酒を飲むこともあります(ピザに合う日本酒もあります)。あと、魚介類ではワタリガニのから揚げなんかも合うかもしれませんね。

利守酒造の皆さんが、美味しいお酒を世に送り出して下さる事を楽しみにしております。



~蔵元から~

ありがとうございました!

長期熟成酒の世界はまだ始まったばかりで、これからだと思います。貴重なご意見感謝いたします。私もピザに合うと思うのですが、まだ試した事がありません。一度、イタリア料理とのマッチングも試みてみたいですね。







●茂木 紀子さん(埼玉県)

お酒の印象

箱を開けた時 こがね色の美しさに驚きました。

味は深みがあり、濃くておいしかったです。





一緒に食した食べ物

お寿司





合うと思う料理

和食(特に肉じゃがや筑前煮など醤油味のもの)





その他、感じたこと

20年目の結婚記念日と子供の誕生日なので、今日一緒にお祝いをして、当選した秘蔵古酒を飲みました。



~蔵元から~

ありがとうございました!

熟成酒が初めての方は、まずその色に驚かれるますね。

醤油系の油を使った料理なんかにも合うと思います。醤油も日本酒と同じ醸造物ですし・・・あまり関係はないですけど。

20年目のご結婚記念日おめでとうございます!20年物のお酒があるといいんでしょうけど、なかなか20年物はありませんね(あってもお値段が高いですし)。何かの記念のために、ご家庭で熟成して頂くために開発した商品が「酒一筋 全麹」です。ご家庭で簡単に自家熟成ができ、10年、20年物を購入するよりもお安くすみます(10年、20年の熟成はご家庭で行う必要がありますが)。最近、お子様・お孫さんのお誕生の記念に「酒一筋 全麹」にオリジナルラベルを貼って欲しい、と言う依頼が多いです。







●浜下 忠海さん(岡山県)

お酒の印象

良くも悪くも「古酒らしくない」といったところでしょうか。

当初期待していた味とは違ってました。一般受けはいいと思いますが。味は果実酒系に近い感じでしたが、あとでアルコールが残る感じがありました。

何年物かは分からないのですが、まだ若い感じを受けました(色も薄いのでブレンド?ですかね)。





一緒に食した食べ物

飲んだときは脇にあったのは水の入ったコップだけでした。





合うと思う料理

合うかなと思ったものは白身系の魚などで、味付けのちょっと濃い物で、岡山=瀬戸内、の点を考慮して「穴子の酒蒸し(タレ付き)」などが合いそうだなと思いました。





その他、感じたこと

先に「古酒らしくない」と書きましたが、これは意図したものであれば、世間的には飲みやすい古酒として受け入れられるかもしれません。従来の古酒の概念とはちょっと違ったものと感じましたから。ただ、「秘蔵古酒」の商品名からは、しっかりとした味の物の方が受けもよいのかも・・・、と思ってみたりもします。



~蔵元から~

貴重なご意見ありがとうございました。

確かに、従来と言うのが何時の頃からを指して言えばよいかわかりませんが、確かに熟成酒は変わってきたと思います。長期熟成酒研究会と言う会がありますが、ここでは全国のメーカーが集まり、熟成酒の研究・勉強をしています。ご興味がある方は http://www.vintagesake.gr.jp/ をご覧下さい!

意図して造る熟成酒と、ただ古くなって年数だけが経ったお酒では全く違います。この熟成酒の世界も、まだまだ奥の深い世界で試行錯誤しながら進んで行っている最中です。







●朝井 克彦さん(北海道)

お酒の印象

ラムレーズンを思わせる香り。口に含むとバターとレーズンの風味が感じられました。本格的な古酒は初めて飲んだのですが、意外にもこの酒は飲みやすかったです。あと、この酒は少量口に含むと何も問題がないのですが、少し多めに口に含むと後味に苦味が残り、ちょっと後味が悪くなる傾向があるようです。





一緒に食した食べ物

一般的に古酒と合う食べ物は中華料理や、油の多いもの、味付けの濃いものが合うので、下記の料理で試して見ました。

・ホイコウロウ

豚肉の脂っこさを消してくれて、次の料理の味が良くわかるようにしてくれた。辛目のホイコウロウは辛さが増してしまうので、辛い中華料理には合わないかも知れない。

・チンジャオロース

旨みが増して、沢山の量を食べたくなりました。

・ギョーザ

ギョーザの味を洗い流してくれて、次の料理の味を引き立ててくれる。

・うなぎ

とても合いました。

うなぎの旨みが増し、うなぎ自体の味を引き出しています。これがNo.1!

・ビーフシチュー

旨みが強調され、まろやかになりました。





合うと思う料理

この古酒はどちらかというとブランデーやリキュールに近い酒だと思います。お菓子やケーキなどに使ってみては面白いかも知れません。

面白いというより、実際使ってパウンドケーキを作りました。バターの風味がマイルドになり、生地がしっかりとコクのあるものに仕上がりました(妻談)。





その他、感じたこと

飲んだ瞬間、いままで飲んだことのない古酒だな、と思ったのが、第一印象です。試飲なので、少しは他の蔵の古酒を飲んだことがあるのですが、そのときは癖がとても強く飲みづらい酒だなと思いました。この秘蔵古酒は思ったよりも癖がなく、古酒を飲んだことがない人でも受け入れられる酒ではないのでしょうか。あと、ブランデーやリキュール類の西洋酒は、お菓子やケーキなどで沢山使用されていますが、日本酒はあまり使用されていません!

この古酒がお菓子やケーキなどに利用されることで、新しい日本酒の利用方法が開拓されるかも知れませんね。



~蔵元から~

ありがとうございました。

いろいろと試して頂き、ありがとうございます。中華料理でも辛口の料理には合わないんですね。お酒が甘口ですから、辛味を増してしまうんでしょうね。浅井さんがおっしゃられるように、口の中をすっきりとさせてくれる効果と言うのは、私もあると思います。口の中をさっぱりさせて次の料理に!

ケーキは、考えませんでしたね。日本酒を使ったカステラ、ケーキ、饅頭はありますが、熟成酒は思いつかなかったですね!まさに新しい開拓です!食べてみたいですね・・・。

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